妖精の散歩道

魔女と呼ばれたこびとの日記。ハーブとアートと猫、ときどき魔法

曾祖父さん

今日は
わたしの母方の
ひい爺ちゃんに
まつわる話

むかーしむかし
そのむかし

ひい爺ちゃんは
名のある大学で
国語の教授を
していたそうな

むかーしむかし
そのまたむかし

ひい爺ちゃんは
台湾で
高等学校の校長も
していたそうな

なんとまあ
人に歴史あり

おばあちゃんちの
仏壇の
白黒写真の中にいる
丸ぶち眼鏡の
おじいさん

そんな優秀な
人だったとは
ひ孫のわたしは
知らなんだ

だけど
わたしは
つながってる

だって
ひい爺ちゃんの
住んでた場所を
訪ねたから

野をこえ
山こえ
海をこえ
島から島へと
何時間

たどり着いたは
いなか町

ひい爺ちゃんも
爺ちゃんも
代々そこに
暮らしてた

だけど
いつやら引っ越して
父も母も親族も
誰も知らない
よその土地

まわりをひとり
歩いてみる

氏神さまに
ごあいさつ
おみくじ引いて
げんかつぎ

開けてびっくり
なんとまあ

そこには
おかしな忠告文

酒はほどほどに
しなさいよ
帰ってゆっくり
休みなさい

その時
はっと気づいたの

これは
お茶目な爺ちゃんが
わたしにくれた
メッセージ

だって
その日の
わたしときたら
飲みごと続きの不摂生
おまけに寝不足
疲れ顔

天にまします
ご先祖さま
いつもちゃんと
見てるのね